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「優、大丈夫?バレなくて良かったね!」
美緒は小さな声で、優に話かける。
「あ、うん…」
まぁもうバレてるんだけどね…。
「それより…」
優はカイトの前に立つ。
「カイト!!」
「どうした?」
「どうしたじゃないっ!」
「怒っているのか?」
「当たり前だ!さっき止めろと言ったのが聞こえなかったのか?あの雷撃で先生が死んでたらどうするつもりなんだ!」
「奴があの程度で死ぬわけがない。それに手加減もしている。」
「そうだとしてもっもし先生が防ぎきれなくて、他の人が巻き込まれてた…」
突然心臓が大きく脈打ち、周りの音が聞こえなくなる。
そして次の瞬間、見えていた世界がぐるりと回転する。
あれ…?
優の身体は、糸が切れた人形のように崩れ落ちる。
しかし、カイトは優の身体を素早く支える。
「ユウ!大丈夫か!」
カイト…何て言ってるの?…
「しっかりしろ!」
聞こえないよ…
優の瞳に映るのは、いつになくひどく取り乱すカイトの姿。
「ユウ!」
コエガ…キコエナイ-。
視界が徐々に薄れ、優の意識は暗い闇に引きずり込まれて行った。
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