第2章 進級試験

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「そんな…」 優はその場に座り込んだ。 そんな…進級試験は明日なのに…唯一成功した召喚術で、ただの悪魔を召喚してしまうなんて… 「このままじゃ留年だ…」 優は頭を抱え床にゴツンとぶつけた。 「はぁ…ユウ…お前が望めば、不本意だが精霊として振る舞ってやろう」 「本当か!」 優は瞳を輝かせながらカイトを見つめた。 「そんな瞳で俺を見るな…ただし俺は悪魔だ、こちらからの条件を飲むなら従ってやる」 「な、なんでもする!!」 優はカイトの足に縋り付き、さらに瞳を輝かせた。 「なんでもか…いい言葉だな」 カイトは小さく笑い、優の頤を掴んだ。 「そうだな…お前の貞操を俺に捧げろ」 「は?」 優は頭の中が真っ白になった。 「じょ、冗談…」 「冗談でわない、俺は本気だ」 カイトの紫色の瞳が優を捕らえる。 「そんな…」 カイトの顔がゆっくりと近付く。 優はカイトの瞳から目を離すことができない。 「お前はただ、快楽に身を委ねればいい…」 唇が触れそうな距離でカイトが呟く。 だ、駄目だ…このままコイツに呑まれては駄目だ!! 「き、拒絶!それ以上近付くな!!」 「ッく」 カイトの動きが止まる。カイトは契約者である優の本気の拒絶には抗えないのである。 「今急にそんな条件を突き付けられても困る!し、暫く考えさせてもらう!!」 優はカイトを押しのけ、急いで部屋を出た。 「くく…なかなか楽しめそうだ」
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