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そして、
先輩は私が身動きを取れない所まで近づき、止まった。
別の意味でドキドキする――
怖くて先輩の顔が見れない。
拓也「こっち、見ろよ。」
私はギュッと目をつぶった。
拓也「こっち見ろって言ってんだろ!」
先輩は乱暴に私の顎を手でグイっと持ち上げる。
ちひろ「ッ!!ちょっ…!!!」
先輩と目が合ってしまった。
しかもどんどん顔…
近づいてくるーーーーッ!!!!
体が怖くて硬直して動かない。
気づいたらもうキス寸前に…
――ゴツンッ
「…いったぁ~ッ!!!」
藤嶋先輩が私の額に頭突きをしてきた。
私は額の痛さとかちょっとした解放感とかで力が抜けて、
その場にヘナヘナと座り込んだ。
拓也「期待しちゃった?」
藤嶋先輩はクスクスと面白そうに笑う。
むっ…ムッカーーーッ!!!
何なのこの人!!!!
ちひろ「ふざけんなっ!!何も期待なんかしてないしッ!!!」
私は先輩を鋭く睨みつける。
拓也「……どーせお前も俺に恋しちゃってたんだろ?」
ちひろ「はっ?!意味分かんないんですけど。先輩なんかに恋なんてしてませんッ!!!」
何この人……!!
ほんと、意味分かんないっ
自意識過剰?!
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