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僕はポケットに手を入れて、シルバーピンクの携帯電話と取り出した。
この携帯、お気に入りなんだ。
親指でボタンを操作し、モバゲータウンというサイトを開く。
僕はあまりゲームとかしないんだけど、このサイトには小説を無料で書ける機能がついている。
こう見えて僕、結構文章書くのうまいんだよ?
ファンの数は……また次の機会に教えるよ。
しばらくお気に入りの携帯電話とにらめっこをしていると、重低音と共に、地球を守っている膜を破壊するための気体を吐き出しながら、オレンジ色のバスがやってきた。
九時十一分か。一分遅刻。
静かに開かれるバスの扉。
風の猛攻から逃れるため、すぐさまバスに乗り込んだ僕は、どこか空いている席はないか、首を百八十度回転させる。
お、空いている空いてる。
僕は一番後ろの、右隅の席に腰を下ろした。
窓際に座れるなんて、今日の運、こんなところでつかっちゃったかな?
ちょっと不安になったけど、ここ最近あまり良いことがなかったから、まだまだ運は溜め込んであるはずだ。
自分で自分を納得させると、
僕は頭を窓ガラスに預け、ゆっくりと目を閉じた。
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