繋いだ手

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「寒い」 寒い、寒い、寒いぃぃ。 クリスマスのイルミネーションが輝く街の中、私は時計台の下で一人佇んでいた。 原因はあのバカレシ。 『ごめん。ちょっと遅れる』っていうメールを送ってきてから、その後一切連絡なし。 メールがきてから早20分が経過。待ち合わせ時刻からは30分が経過。 『ちょっと』遅れるなら、どこかのお店に入って待つこともないかなって、待っていたのが間違いだった。 コートのポケットから携帯を取り出して、寒さでかじかむ手で、素早く通話ボタンを2回押してみる。 ほんの僅かな期待を持って耳に当ててみるものの、それからは発信音もせず無機質な声が流れる。 『タダイマ、デンワニデルコトガ――』 「はぁ……」 最後まで聞くことなんかせず、通話終了ボタンを押し、呆れと諦めと後悔とが混ざった溜息は、白い煙となって賑やかな街の中に消えていった。
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