繋いだ手

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「えっ、えっ? あれ? 欲しがってたピアスってこれだよな!?」  「そう……だけど、どうしたのこれ」 ようやく言葉を返すと、安堵したかのように息を吐いた。 「良かったぁ。すっげー欲しがってたからさ、どうしてもプレゼントしたかったんだよ。それで色々知り合いに当たって争奪戦の協力してもらったって訳。結構頼んだんだけど、結局取れたのは俺だけだったってオチつきだけどな。喜んでもらえた?」 喜ばない訳がない。凄く嬉しい……。 ここは素直にお礼を言う場面だっていうのは分かっているけど、素直になれない私は 「あ……ありがとう」 って、ぶっきらぼうに目を逸らして言ってしまった。 それでもこの馬鹿は嬉しそうに笑うんだ。「良かった」って。
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