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暖かい風が、街に春を運んだ。この小さな街の古びた神社には、一本の美しい桜の木が桃色の花びら開花させ咲き誇っている。
桃北神社
<トウホクジンジャ>
そう呼ばれる神社の桜の木。
その神社はとても古く小さいが、毎年お花見の季節になると、一本の桜の木を見に訪れる人が大勢いた。
風が吹けば、桃色の花びらが宙を舞った。その光景は、大勢の人々が魅了されるほど優美で艶やかだった。
そして、この神社の隣には、中高生を対象とした進学塾があり、常に授業が行われている。
丁度、その塾の授業風景を覗くのに絶妙な場所があった。それは、桜の木が咲いている場所だった。
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