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そして仁は考える。
(あれだ。休みだろ今日、きっと。昨日学校行ったし……)
と
だが全く根拠になっていない。
(第一平日なら、もう牡丹が来てんだろ。うん)
焦点の合っていない目が、カレンダーの上を左から右へと泳いでいく。
(いや、ぶっちゃけ確認する必要ないんだよ。だって休みだもん。でも万が一、地球が今この瞬間爆発するぐらいの確率で有るかもしれない。)
一万に一回の確率で地球が爆発されたらたまったものではない。
仁の目の動きが止まる。
今までの死んだ魚のような目から一新して、何かを見据えたようにスゥッと目を細める。
その何とも形容詞しがたい様子からは、今日が休日なのか平日なのかは分からない。
そして……
「今日って何月何日だっけ?」
本人にも分からなかった。
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