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家族の写真
父親と母親に挟まれて、無邪気に笑っている幼い自分。
その笑顔が親に見捨てられた自分を嘲笑っているようで……
写真の中にかりそめの幸福を見たようで……
自分の中に沸いて出る感情を
「くだらねぇ」
一言で切り捨てた。
写真の中には家族がいた幸せがある。
では家族のいない現実は不幸か?
否
「そうじゃねぇ。あんた達がいなくても俺はただの平凡な中学生だよ。」
それが家族を失った仁の……
歪んだ結論だった。
仁は第一ボタンだけ開け、学校指定の鞄を背負い部屋を出た。
倒された写真たてを残して
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