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必死に言い訳を始める牡丹と
(そう言えば去年買ってプレゼントしてやった気がするなぁ。)
一考する仁。
ちなみにプレゼントを言い出したのも、
エプロンドレスを仁に買わせたのも、
沖次令二という少年が、面白そうという理由で仕組んだものだった。
が、その事を幸か不幸か牡丹はその事を知らない。
そして仁は利用された事に気づいてすらいない。
まぁ、昨日学校行ったから今日は休みだと思うような頭なので無理もない。
「でもそんな恥ずかしいなら着なければいいじゃん。」
何の気もなしに、ただある一面では正論であろう言葉を吐く仁。
「そ、それは私は嫌だけど、
あ、あんたは自分のプレゼントを着てくれなきゃ傷付くでしょ!そう私は心が広いから!」
言葉とは裏腹にその慌てきった様子に、
もっと別の想いが伝わりそうな物ではあるが、
「だから、嫌なら着なきゃいいじゃん。」
仁には伝わらない。
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