春一番は突如吹く

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結局二人が家を出られたのは、8:20を回った頃であった。 完璧に遅刻である。 とは言っても開き直って歩いていくともできず、走っていた。 「もう完璧に遅刻だな。」 ケータイで時間を確認し、やや自嘲ぎみ呟く仁。 「えぇ、あんたがなかなか起きなかったせいでね。」 後ろに続く牡丹はやや皮肉っぽく言う。 「それにしても、俺歯も磨いてねーよ。口臭とか大丈夫か?」 瞬間的に話題を変える仁。 明らかに寝坊の件をうやむやにしようとしているのが見え見えである。 そして仁の企み事態は…… 「あんたは口臭よりもまず体臭を気にしなさい!」 上手くいっていた。 しかし 「そそそそんなに、おおおお俺の体臭ヤバイのか?自分では何も感じないのが怖い!」 とてつもない精神ダメージを受けていた。
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