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一人取り残された仁は渋々といった感じで走り出す。
「あぁ、畜生。置いていきやがって。てゆうかバイク通学って校則違反じゃないのかよ!」
それ以前に道交法違反である。
そのまま五分ほど走り仁は通称『桜道』と呼ばれる道にたどり着いた。
この『桜道』にはその名の通り1000本を越える桜の木が、道の両端にひしめいている。
その全形はこの町―桜街―を、見事真横に切り裂くようにできている。
桜が満開に咲き誇っている様は、正に絶景で『桜街の桜道』と近隣の県にまで知れ渡っている。
更にこの道は遠距離からスナイプしたかのようにある建物を貫通している。
その建物こそ仁達の通う中学―桜中―だ。
つまり学校に行くにはどうしてもこの道を通っていかなければならないのだ。
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