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「っつ――!」
(何だこの痛みは!?昔に令二にふざけて塩酸をぶっかけられた時みたいな痛みが)
正直ふざけて何て可愛いレベルでは無いのだが、令二に言わせると
「命に別状無いし、無論火傷の痕も残らないよう計算してある」
だそうだ。
あまり思い出したくないことを思い出しながら、熱さに悶えている仁。
それを横目に駈けていく人影。
仁は走っていくその横顔を一瞬見て、嫌な記憶も熱さも忘れて魅いった。
それは本当に一瞬だった。
人の顔を判別する事すらできないような
覚えているのは、桜吹雪に溶け込んだ桜色の髪の毛だけ。
しかしそれはまるで春の妖精かのようだった。
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