俺と桜とカップヌードル

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結局、仁はカレーのスープを全身に浴びたまま学校に来た。 自分の教室である2-Bを目指し廊下を歩きながら、先ほど起こった不可解な事件について考える。 (あの時間に桜道を、走っていたってのはやっぱうちの学校の奴か?) しかしいくら考えていてもその正体がわかる訳も無かった。 何せ遅刻で焦っているときに、吹っ飛ばされた上に熱湯までかけられた状態で、一瞬横を通っていただけなのだ。 そう本当に一瞬、桜吹雪にまぎれた桜色の髪の毛を見ただけ。 それでも仁は何かに吸い込まれるかのように彼女の事を考えていた。 春の妖精と感じた少女のことを 「妖精はカップヌードルなんか食わねーよな。普通」 右手に持った空っぽのカップをみる。 それが自分と彼女をつなぐ唯一の物に思えた。
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