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実は、保護者すらいないような状態である仁の存在もまた、彼女を苦しめている大きな要因なのだが本人はそんな事も知らずに教室の扉を開けた。
「何だよ、噂の転校生のが来たかと思ったら仁かよ……」
「この一瞬期待したクラスの雰囲気をどうすんだ。」
「まったく、うだつの上がらない奴だ。」
「俺なんか彼女が来ちまったかと思ったよ」
「おい。だれかいい精神病院知ってる奴いないか?」
「もう既に手遅れだろ。火葬場の予約は俺がとっとく。」
(このクラス、大丈夫か?)
まだ新クラスになって一週間しかたっていないのに、無法地帯と化しているクラスに不安を感じつつ、中に入っていく。
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