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教室の隅で牡丹と令二を見つける。
押忍などと言い、ゆっくりと二人のところに歩いていこうとしたら、逆に牡丹がとんでもないスピードで仁の方に駆け出した。
そして……
「唸れ龍〇!!」
ボディーに思いっきり〇拳を食らわせた。
「ぐふっ。な、何をする牡丹!お前は孫〇空か?」
余りの痛さに腹を抑えのたうち回りながら仁が絞り出す。
「あぁ?何をするかって?あんたこそ何よそのカレースープのついた制服は?」
当然のことながらカップヌードルカレー味を頭から被ったからであり、頭には麺まで絡み付いている。
「人間のみすぼらしさの限界に挑んだような格好だな。」
ピアスや鎖をチャラチャラ言わせながらゆっくりと令二が歩いてくる。
「これには深い事情があってだな。」
「事情なんか知るか!カレーの染みは落ちにくいのよ!」
無論、家事能力皆無の仁の代わりに洗濯をしている牡丹が怒るのも当然である。
「とにかく話を……」
「問答無用」
猟奇的な場面ではあったものの彼らにしては、もうじき終わるいつも道理の日常だった。
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