俺と桜とカップヌードル

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「ほら、仁君も早く座りなさい!」 ただ一人あたふた喚いている仁を見据えて、ミッチーが言う。 「あっ、先生!先生もこの俺のまるでカレースープを被ったような、というかカレースープを被ったこの格好に興味がありますよね?実はこれは……」 もう、食って掛かりそうな勢いで説明を始める仁。 汚名を返上しようと必死だ。 しかし 「お願いだから座ってちょうだい。」 もう半涙目のミッチーに言われては仕方がない。 泣く泣く自席に帰っていくのだった。 そして、全員が席に座ったのを確認するとミッチーが語り出した。 「ええっと、取り敢えず全員いるわね。まず遅れてきてスミマセン。しかし別にクラスに来たくなかったわけじゃありません。……いや、来たくなかったのはホントだけど……」 後半の呟きを聞いた人達は、哀れみの視線を向ける。
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