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平凡な少年である、龍門仁は
金持ちでも無ければ、
特に貧乏でも無い平凡な家庭に生まれ
特筆するような才能もなく、
平凡に生活していた。
が、しかしそこには奇妙な事もあった。
それは平凡な家庭を築いていた両親が非凡だった事。
非凡が作った平凡な家庭なぞ、長続きするはずもない。
保育園に入園するまで――それが仁と両親の余りに短い、
もう戻ることの決して無い、
平凡な時間だった。
入園すると度々両親が家に居なくなる事が増えた。
この頃の仁には、わかるはず無かったが、
両親は勤めを止め新しく起業しようと、下準備を始めていたらしい。
時は流れ卒園式の日
入園式では全て埋まっていた席に
空席が二つ出来た。
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