俺と桜とカップヌードル

12/25
前へ
/53ページ
次へ
「つまり、あの転校生がさっき言ってた子なわけ?」 時は朝のHR後の休み時間。 仁たち三人組は教室の隅で話し合っていた。 例の転校生、春風桜は自席でクラスメートに囲まれ、質問攻めにあっている。 「ああ。というよりピンク色の髪の毛なんか他にいないだろう。」 「でも『一度始末した奴の名前なんかわざわざ覚えてられん。』みたいなこと言われてたじゃない。」 「いやいや、そんなどこぞの殺し屋みたいな事は言ってないからっ!」 そんな風に言い争いをしている仁と牡丹に、今まで黙りこくっていた令二が口を開いた。 「というより、そんなに気になるなら直接聞いてみたらどうだ?」 全くもって正論ではあるが。 「いや、それは……」 クラスメートの集団に突っ込んでいく勇気のない仁であった。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加