俺と桜とカップヌードル

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「ヘタレね。」 心底あきれ返った様子の牡丹。 「まぁ、確かに俺はヘタレなんだろうけど……」 仁は…… ふとそこで言葉を切り…… クラスメートに囲まれた桜の方を見て…… 次の言葉を摘むんだ。 「それ以上に、俺はああやって自分の事を根掘り葉掘り聞かれるのは嫌だから……」 そう呟いた仁の顔に、先程までの明るい空気は無かった。 そこに漂うのは、深い悲壮感。 その空気は周辺に広がり、三人の間に気まずい空気に陥る。 下手な事を言えない程に、二人とも仁の闇を知りすぎていた。
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