俺と桜とカップヌードル

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「思い出したのか?」 これ以上はやらかすまいと心に決め、小声でたずねる。 「はい、思い出しました。」 一片の曇りもない笑顔で答える桜。 「そ、それで?」 その綺麗な笑顔にドギマギする仁。 ちなみに彼は隣の席にいる牡丹が、もはや般若が逃げる間もなく発狂しだすような視線を向けているのに気づかない。 牡丹からは二人の話し声が聞こえないので仁と桜がいちゃついてるようにしか見えていない。 一触即発の雰囲気の中ついに桜が爆弾を投下する。 「もしかして、私。朝あなたにぶつかりました?」 「何で今それなんだよ。何か貸してくれって話じゃなかったのかよぉお!」 先程の決意も虚しく仁は叫ぶ。 そして同時に理解する。 春風桜は 『天然転校生』 だと。
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