プロローグ

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遥か昔.. 一つの国がありました 一つの国は緑豊かで皆幸せでした ある日,天つ才をもつ 美しい女子が生まれました その美しさは 澄んだ滝の虹をも陰らす程で 天つ才はいつも 人々のために使っていました それを見ていた神々は いつの間にか その優しく美しい女に 恋心を寄せていました 神々は女が喜ぶならと 国をもっと豊かにし 益々,国が栄えていきました いつの間にか,その女の噂は広まり 嫁にと望む殿方が女のもとへ続々と集まりました ですが一部の人々は その女を利用して 国を乗っ取ろうとしているのを女は知っていました 天つ才を持つ女は考えました どうすればいいのだろうと.. そして女は森の奥の 高い高い崖から 海へと身を投げました そして それを酷く悲しんだ神々は怒り 雷(イカズチ)を降らせ 火を起こし 風を吹き 草や木,家や街を燃やし尽くそうとしました 火事がどんどん国を覆うごとに 土地を..作物..金をめぐる 争いが絶えず起こり 飢饉が起こりました 火が国を燃やし尽くす.. そのときです 空からひとつの雫が落ちてきたのです.. それは地面に広がり 火を消しました そして神々を止めたのです 「もう..いいです.. もう..いいのです.. 私は生まれ変わるでしょう.. そしてまた 国を愛しますから 大丈夫.. 今はまだ力がないので 国を見守るだけですが, いつか きっと..」 そうして女はもう一つ雫を高い高い崖に落とし そこにひとつの小さな木を植えたのです.. そして女に大切にされた人々はその木に愛を与え,一部の悪い人々から守り抜きました そうして木は少しずつ大きくなり 国が少しずつ息を吹き返すように生き返ったのです ..
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