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「ギャア゙ア゙ァァァア゙ァア゙ア゙ァァッッ!!」
清々しい程の叫び声が嬉しい。
私は両手の指を全部へし折った。
ガチャピンはグッタリしている。
「…汚い顔……」
顔は焼けただれ、髪は数本しかない。
全身、痣だらけだ。
さっきのガスバーナーのせいで、ガチャピンが着ていた服は燃え、今は裸である。
「それにしても……臭いなぁ…」
私は鼻をつまんだ。
ガチャピンの傷が、ところどころ膿んでいるのだ。
……蝿、持ってこようかしら…?
クスクス笑っていると、ガチャピンが目を覚ました。
「…ねぇ、痛い?」
私は目覚めたばかりのガチャピンに問う。
ガチャピンは涙を流しながら頷いた。
「…逃げたい?」
私の問いにガチャピンは、は?という顔をしている。
「早く答えなさいよっ!!」
ガチャピンのじゅくじゅくした顔を殴る。
「っ……に……逃げた……い……」
痛みを抑えるように、ガチャピンは呟いた。
「…じゃあ逃してあげる…」
私は微笑んだ。
ゆっくりと地下室の扉まで向かうと、重々しい扉を開け放つ。
「……………」
ガチャピンの元へ戻ると、私はガチャピンを縛っていたロープをほどく。
どんっ
瞬間的に、ガチャピンは私を押し退けると扉に向かって走り出した。
私はしりもちを付き、後を終えない。
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