第一章 元、友達

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「…やめてっ!!」 薄暗く、カビ臭い廊下の奥から若い女の声が響いてくる。 廊下の一番奥に、その鉄格子の扉はあった。 腐りかけている扉を開けると、ジットリとした薄暗い空間に女のハスキー声が静かに響く。 その小さな部屋の中心辺りに、椅子に縛り付けられた女が一人座っていた。 「…ご飯作って来たの。食べてくれるよね?」 ハスキー声の女は、手提げ鞄からタッパーを取り出した。 タッパーの蓋を開けると… 「…何…それ……」 タッパーの中には、見たことの無い様な虫ばかりがぎっしりと詰まっていた。 「頑張って見つけて集めたの。食べてくれるよね?」 「ぃ…嫌あぁぁぁっ!!」 .
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