第一の事件(上)

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②高井 早苗(タカイ サナエ)37歳 被害者の妻でありアリバイはない。 被害者の保険金の受取人は妻であり、その金額は五千万円である。 事業が上手く行ってなかった点から見ても保険金目当ての殺人かもしれない。 ③斎藤 判仁(サイトウ バンジン)28歳 借金取り立て人であり、こいつも保険金の受取人であった。 その金額は一億円にもなる。 やはりアリバイはない… 日本人ではないらしい。 この三名がアリバイがなく動機の点から見ても怪しいだろう。 次にこの三名の事情調書の内容を述べる。 ①酒井美和子の場合 『私は昨夜は午後9時半に会社を出ました。 10時ごろはまだ運転中です。 帰宅したのは10時半になります。』 『それを証明するのは何かありますか?』 『それは…1人暮らしなもので……家にも誰もいませんし… そうだ!ラジオです。 運転中にラジオで地震の速報をやっていました』 そういや昨夜の10時頃に地震があったな… テレビの速報で震度2程度って流れた気がする…… 『残念ですがアリバイとまでは言えませんね…』 『そんな……』 酒井が肩を落とし項垂れる様子が目に入った。 少し違う話しでもするか…
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