初めましてと言っておこう

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ヴァイスとシュヴァルツが目を付ける可能性がある。 だが安心してくれ、無理な勧誘や拉致は俺が食い止める) 手を合わせてそう祈る一つ目、手に持った煙草はすっかり短くなっている。その時、人の気配が近駆け寄って来ているのを感じた。 それに気付いた彼は、携帯灰皿を取り出して煙草を揉み消し、その相手を知りながら姿を眩ませる。 彼女が父親の墓に辿(たど)り着くと、そこには人がおらず、懐かしい残り香と先客の手向けがあった。 彼女はスーツの男に出会えなかったことを残念に思いながらも、踵を返して家路を急ぐ。 その時、誰なんだろう、会ってみたいな、と思っていたが、その願い事が近々叶うことを彼女は知らない。 数日後、彼女は特殊装甲バスで高校へ向かい、教材を机に突っ込んで友人と駄弁(だべ)っていた。 その話の中に、転校生が来ると言う物もあり、まだ見ぬ相手のことで、話が盛り上がっていて、彼女はその話を興味なさげ聞いていた。 そうこうしているうちに、SHRの時間になり、担任である女教師がクラスに入り、席を離れていた生徒が着席する。
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