バレンタインデー

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白いカウンターの上に白い箱が目立たなく、だがいやでも存在感を感じさせるようにあがっていた。 それを見ていた町田がまるで自分のことのようにため息交じりに「あーあ」と言った。 「どうすんだよ、それ?」 「どうって言われても……」 信二は箱を持ち上げた。 少し重い。 それにほんの微かにケーキのような臭いがする。 「処分するわけにもいかないしな」 確かに捨てるのはあの女に悪い。 これほどの物(何かまだ分からないが)だ。
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