バレンタインデー

17/19
前へ
/19ページ
次へ
いきなり大声で叫び、箱を手放した。 その拍子に箱から大きめのチョコケーキが飛び出し、そのままベチョッと音を立て床に落ちた。 その上に空になった箱が舞い落ちた。 信二は一瞬目を疑った。 「いったい……」 「嘘だ、嘘だ!」 町田は震える手で顔を覆っている。 よほど恐ろしい物でも見たかのように全身震えている。 信二は訳が分からず、町田と今や原形を留めていないケーキを交互に見やった。 見る限り、ごく普通のケーキだ。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加