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前田信二が家の近くのコンビニで働くようになってから一週間がたった頃、忘れかけていたバレンタインデーが訪れた。
この日は男なら誰もがチョコを期待するところだ。
しかし、信二は男でありながらも大学の学費を賄うため、今日も日が沈みかけた夕方頃からコンビニで働きだしていた。
「ふぅ、今日もバイトとは」
レジの前に立っていた信二は、美形の顔をため息で曇らせ、人がいないがらんとした店内を見回した。
いつもこの時間帯は人が少ないが、今日は全く人がいない。
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