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こういう態度を取っておけばたいていの女は近寄ってこない。
だからその女もそのうち帰るだろうと思っていた。だが……。
「あの……」
いきなり前の方から高い声がした。
信二はぎくっとしてレジの前、自分の前を見た。
すると、そこにはいつの間にかさっきの女が立っていた。
今や顔はリンゴのようなに赤い。
それでも彼女は勇気を振り絞るように震える声で言った。
「私、あなたに――」
そこで後ろに隠していた箱を前に持ってきた。
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