School DAYS 第一巻：聖華学園

02.四人のクラス長

翔太に衝撃の知らせが告げられる約１１時間前。

朝課外の時間を終えた聖華学園の職員室では……。

新たに転入してくる生徒、翔太のクラスが発表されようとしていた。

「通常では……このような発表は
校長先生に行ってもらうのが普通ですが」

聖華学園の行事予定が書かれた大きな黒板の前で……。

数学教師、清水郷子（しみず　きょうこ）は職員室の教員全ての視線を集めながら言った。

「現在、校長先生はお忙しいため……
その代役として私が発表させて頂きます」

郷子は予め手に持っていた丸められた紙を広げた。

それとほぼ同時に職員室の扉が少しだけ開いたかと思うと……。

その奥から四つの目が職員室の中を覗き込んだ。

扉の向こう側から片目だけを覗かせているのは四人の女子生徒。

「……どうやら、間に合ったみたいだな」

四つ頭を重ねた一番下で安堵の息をつくのは……。

２－１のクラス長である井上茉美（いのうえ　まみ）である。

「今から清水先生が発表するみたいだな」

「ああ……そうみたい、だな」

震えた声で背伸びをしているのは……。

２－２のクラス長である大林美香（おおばやし　みか）である。