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「え? 何で?
その転入の意味が解らないんだけど……」
「だって……ねえ?」
「イヤ、『ねえ?』って何?」
「まあ、とりあえずあなたには
明日から別の高校に転入してもらうから」
「だからその理由を説明しろって言ってんの!」
翔太はテーブルをバンバンと叩いた。
「何で俺が転入させられなきゃいけないんだよ!」
椅子から立ち上がった翔太は自分を指差して声を上げた。
「学校で悪い事をしでかした覚えも無いし!
剣道じゃ良い成績は残しているつもりだし!
この前の中間テストだって……俺ちゃんと1位を――」
「そう、そこよ!」
不意に佐和子は翔太を指差して叫んだ。
「……えっと……そこって、何処?」
「だから、そこなのよ」
そう言って佐和子は椅子から立ち上がった。
腕を組む佐和子。
「翔太、あなたは今の高校……漣(さざなみ)高校に入学してから、中間・期末テスト共にずっと学年で1位を取り続けているわ……」
「だからこそ!」
「うおっ!」
不意に佐和子に指差される翔太。
「あなたには!!!」
佐和子は翔太の眼前まで迫った。
「他の高校に転入してもらうのよ!!!」
「解った!!! 解ったから!!!
近い近い近い近い!!!」
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