01.悪い事は突然に

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「え? 何で? その転入の意味が解らないんだけど……」 「だって……ねえ?」 「イヤ、『ねえ?』って何?」 「まあ、とりあえずあなたには 明日から別の高校に転入してもらうから」 「だからその理由を説明しろって言ってんの!」 翔太はテーブルをバンバンと叩いた。 「何で俺が転入させられなきゃいけないんだよ!」 椅子から立ち上がった翔太は自分を指差して声を上げた。 「学校で悪い事をしでかした覚えも無いし! 剣道じゃ良い成績は残しているつもりだし! この前の中間テストだって……俺ちゃんと1位を――」 「そう、そこよ!」 不意に佐和子は翔太を指差して叫んだ。 「……えっと……そこって、何処?」 「だから、そこなのよ」 そう言って佐和子は椅子から立ち上がった。 腕を組む佐和子。 「翔太、あなたは今の高校……漣(さざなみ)高校に入学してから、中間・期末テスト共にずっと学年で1位を取り続けているわ……」 「だからこそ!」 「うおっ!」 不意に佐和子に指差される翔太。 「あなたには!!!」 佐和子は翔太の眼前まで迫った。 「他の高校に転入してもらうのよ!!!」 「解った!!! 解ったから!!! 近い近い近い近い!!!」
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