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「え?!何?!誰!?」
突然の出来事に、思わず大声を上げてしまった。
慌てて窓から身を乗り出して辺りを見回してみても、人っ子1人居ない。
「夢?幻?」
でも、向こうはまるで私をよく知ってるみたいだった。
こっちには全然、見覚えないのに!
「なんなの…超キモいんですけど」
鳥肌を立ててブルッと体を震わせる。
「咲良ちゃ~ん」
その時、社務所の方からザクザクと玉砂利を踏んで、祢宜さんの奥さんが私を呼びに来た。
「あっ、ハイ!」
「直会始まるよ~、宮司さんがいらっしゃいって!」
「あ、今閉めます!」
「閉めたらおいでよ~」
祢宜さんの奥さんはそう言うと、また社務所の方へ戻ってゆく。
奥さんの足音を聞きながら釣り銭を数えていた私は、
先程の男が現れた時も消えた時も、全く玉砂利が鳴らなかった事が気にかかっていた。
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