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「アナタに与える試練はズバリこれ!」
そう言って、広げた紙の上には、地図のようなものが書かれていた。
はて?どこの地図なんだ?
地図なんて、小学校の授業以来、久しく見たことなかったから、あいにくとその地形がどこのものなのか分からない。
「これは、私の管轄する世界の見取り図ですよ!」
「そうなの?」
しかし、なぜ、いきなり地図なんて見せられたんだろうか?
「細かいことは、後で説明するんで、簡単にやって貰いたいことをいうとですね…」
女神は至って簡潔にいった
「世界を救ってください♪」
一瞬なにをいっているのかわからず、聞き返す
「…………はい?」
「ほんとですか?こんなにあっさり承知してくれるとは…」
いやいやいや!
「いまのは承諾じゃなくて、耳を疑って聞き返しただけだから!」
世界を救うって、そんなバカな!スケールがでけーよ!
「まぁまぁ」
そんなことは気にもとめず、女神は後ろのこれまた、なにもないところから突然紙を取り出した
「ささっ!やる気があるなら、さっそくこちらの契約書類にサインを!」
「なんか、騙されてる感じがバリバリだが…」
それは一見すると悪魔との契約書のようにも見えた。しかも世界を救えとかどこのRPGの勇者だか知らないが笑えない冗談だ
「細かいことは、気にしない方が身のためですよ」
「細かいことじゃねぇだろ!世界を救えとかわけわかんないこと!」
「そんな!さっき『生きたい』って高らかに叫んだ気持ちは嘘だったんですか?あの胸の高鳴りは偽り?」
「………それとこれとはべつというか」
すると乱暴に紙を顔の前に叩きつけられる
「どの道選択肢なんて多くないんですから、ちゃっちゃっと決断してください」
そしていつの間にか真面目な顔に変わっている女神
「このまま死にたいならサインせず、わずかでも生き残る可能性にかけるならサインする。簡単ですよね?」
簡単って。あんたいくらなんでもこれは…
「あー!理不尽とか思ってます?」
心を見透かされたようだ。女神はいう
「運命って理不尽なものをねじ曲げようとしているわけですから、逆にこのくらいのことはしないと釣り合い取れないですよ」
それから、挑発的に笑うとこんな事をいった
「『これくらい』の逆境、訳ないですよね?」
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