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「それじゃあ、あらためまして………くすくす、私は………くすくす、ネフィ…くすくす………ねぇ、あなた。やっぱり、土下座の名人さんじゃない?」
「くどいよっ!?」
やりばのないツッコミ心を地面を「ガンガンッ!」と踏みならして解消する俺。続ける。
「そろそろ、教えてよ。『君は誰なのか』とか『ここはどこなのか』とか『なんで、俺はここにいるのか』とかさ」
矢継ぎ早にそうまくし立てる
「ああそれもそうですね。ごめんなさいそろそろ、真面目にお仕事しないといけませんね。私としたことが反省ものですね」
そういうと、キリッとした顔つきになる女の人。
「さて、………はじめまして渡里 契(わたり けい)さん。私は、異階“アルホーゼ”において女神の役割を与えられている、『ネフィルト・セルシス』という者です。よろしく」
そういって、すっと腕を差し出す女神。思わず、その細い手を取り「よっ、よろしく」と少し戸惑いながら挨拶しかえすことになった。
女神は満足そうに顔に柔らかい笑みを浮かべ、それから話を続ける
「この度は、車にひき逃げされるという非業の最後を遂げられたということで…大変お悔やみ申し上げます。」
「えっ?」
握っていた手を静かに離す
「ショックだったでしょうね…。でも、人生なんていつなにがあるかなんて分かりませんし、今更悔やんだところでなにも変わりませんよ?それよりも、この事を次に生かして前向きに生きていきましょうよ。あっ、でも、もう死んじゃってるますか?手遅れですかね?」
女神はそう言うと一人納得したようにうんうんと頷いていた。
「なっ、何いってんだよ?俺が死んだ?そんなバカな話…」
「あれ?ホントに『バカな話』………だなんて思ってるんですか?あなた?」
びっくりしたように、目を丸くする女神
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