勘違いな試練

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「それでは、遅刻する前に行きましょうか竜司さん。」 「そうだな。」 遅刻するような時間ではないが、俺はいつまでもこんなとこにいる訳にも行かないと思い、安奈と一緒に学校に向かって歩き出した。 ★ 「おはよう安奈ちゃん。」 クラスに入るなり、数名の女子が安奈に挨拶をしてきた。 「あ、おはようございます。」 安奈も、さっき俺にやったときと同じように満面の表情で挨拶を返す。 それにクラスの女子は、 「きゃー、かわいい!」 と言って、安奈を取り囲んで何やら雑談を始めた。 「朝から大変だな。」 苦笑しながら言って、俺はとりあえず自分の席に着いた。 横目で見ると、安奈は分け隔てなくといった感じで女子の質問に一つひとつ丁寧に応えていた。 「よっす、竜司。」 「おはよう竜司。」 そんなさなか、春原と藤野がほぼ同時に教室に入ってきた。 「おう、おはよう。」 「それにしても、ホントに人気あるよね安奈ちゃん。」 感心したように藤野が安奈を見てつぶやく。 「そりゃあ、かわいいからな。」 「いや、なんでお前が自信あり気なんだよ。」 呆れ顔で言う俺に春原は割と真顔で、 「だって、かわいいから。」 「いやいやいや、説明になってないし。」 もはや、常識と言うものが無いのかと俺は思い、長々とロリとは何かという説明をし出した春原から目を離し、ようやく解放された安奈を見た。 「・・・」 さすが、鍛えていると言う事だけあって、あの程度では疲れないのだろう安奈は普通に授業の準備を始めた。 「だからだな、ロリとは男達の必ず通る夢の場所であってだな。 結婚したとき男の方が年が上というのはそう言う事もあって・・・」 「アンタいつまで、んな変な言ってのんよ!」 「ゴヘッ!!?」 対して、春原は俺が聞いていない事に気付いてなかったのか藤野に思い切り殴られて机に突っ伏していた。 ★ 「よし、じゃあ今日はここまでだ。 解散!」 今日も何事も無く学校は終わり、担任の号令を合図に皆散り散りに教室から出て行った。
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