勘違いな試練

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「ほら行くぞ春原。」 「あ、ああ。 分かった。」 完全に意気消沈の春原に声をかけ俺も藤野たちの後に続いた。 それからは、春原の保健室紹介(保健室とは、聖なる禁断の聖域)発言意外は特に問題もなく校内を案内することが出来た俺たちは、下駄箱で自分たちの靴に履き替えて学校を出た。 「じゃあね。 安奈ちゃん。」 帰り道が違う藤野と春原が振り返って、上野に手を振る。 「はい、今日はありがとうございました。」 上野も、かわいらしい顔で微笑んで手を振る。 「また、俺の力が必要になったらいつでも呼んでくれ。 かわいい君なら大歓迎だよ。」 「じゃあ、今すぐ死んでちょうだい春原。」 「ちょっ! ひどいよそれ! 存在自体を消滅要求ですか!?」 春原の余計な言葉を流しつつ、藤野はもう一度手を振って帰り道を歩き出した。 上野も苦笑しながらそれを見送る。 「さてと、んじゃ帰るか。」 帰り道が同じ俺は、上野にそう言って坂道を歩き出す。 「あ、はい。」 上野も慌てて俺の隣に早歩きで来る。 俺はそれを横目で見つつ、金色に輝く夕焼けを見た。 もう、6時を回ろうとしている夕焼けは若干沈みかけていて、もうそろそろ日没に指しかかろうとしていた。 そんな中、隣をてくてくと歩く上野が気まずそうに口をあけた。 「あの、皆城さん。」 「普通に竜司でいいよ。」 「あ、はい。 では、竜司さん。」 さん付けはこそばゆいから名前で呼ぶよういったんだけど、親の教育上なのか上野は、さん付けはやめずに竜司に、さんをつけて呼んで歩きながら言葉を続けた。 「あの、学校はいつもあんな調子なんですか?」 おそらく、クラスの雰囲気の事を言っているのであろう思った俺は、 「まぁ、そうかな。」 と言って、ちょっと苦笑した。 「騒がしいけど、楽しくて良い学校だと思うよ。」
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