第一部

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風呂から上がり着替えを終えた私達は、色々な事を語り合った。 好きな戦国時代の武将は誰かとか、今の日本の政治家をどう思うかなどを延々と話していたのだが、私はいつもと違う雰囲気に違和感を覚えた。 それが猫がいないという事に気付くまで、さして時間はかからなかった。 「そう言えば、一緒にいる猫が今日は姿を見せなくてね。どうやら、私は猫にも愛想を尽かされてしまったらしい」 そう言って笑う私の顔に憂いを感じたのか、彼は優しく慰めの言葉をかけてくれた。
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