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「それにしても、萩尾君が来てくれたお陰で孝三郎が生き返ったんだからな。改めて言う必要も無いが、ここ十数年のお前の作品は死んでいた」
「確かに慎司の言う通りだ。君がここに来てくれなかったら、私は未だに駄作をこの世に送り出していたのだからね。葵君、本当にありがとう」
「私には……勿体無いお言葉です……」
葵君は耳まで赤くなりながら、しきりに感謝の言葉を述べていた。
「さてと、俺はお暇するかな」
慎司はすっと立ち上がると、玄関まで颯爽と歩いて行く。
そして別れ際に締め切りの期日を告げると、疾風の様に去って行った。
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