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「ただ一夜、身体を重ねるだけで人間にしてやると彼は言いました。しかし十日前、急に約束を破り私を連れて行くと言い出して……」
端正な顔を苦しそうに歪めながら、自分のすべてをさらけ出していた。
そんな彼をいつしか私はきつく抱き締めていた。
「行かないでくれ!君がいなくなってしまったら……私はきっと壊れてしまう。後生だから、ずっとそばにいてくれないか」
私の服の胸元が濡れている。
だが彼の言葉は少しも乱れる事は無かった。
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