2章 家路

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ハァ。 家に着いちまったよ。 どうか、誰もいませんように… そんな、無理を神に頼みながらドアノブを回した。 玄関には鬼もとい姉貴が立っていた。 「けいちゃん、今まで何してたの?」 言い忘れてたが、俺の名前は「藤崎 慧」だ。 いや…お姉さま、そんな可愛い声を出しても殺気は隠せていませんよ~ 「ごめん。 少し学校で勉強してたら、遅くなって…」 「ほぉ。 勉強ね~」 ヒュン… ドゴッ! 姉貴の蹴りが綺麗に俺の腹に当たった。その場でうずくまる俺。 「ゴホッ!ゲホッ」 「自業自得だ。 門限を守らないからこうなるんだ。 ご飯、食い終わったら私の蹴った所、冷やしとけよ腫れるから」 そう言い残すとスタスタと自分の部屋に入った。 俺は腹に響かないよう起きてダイニングまでのそのそと歩いた。
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