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昔々、ある国に双子の絶世の美女がいました。
この国は古くから女が家督を継ぐという決まりがあり、現在の王も女性でした。
双子の家も勿論そうで、家長だった双子の母は、どちらに家を継がせようか悩んでいました。
姉は優れた頭脳と冷静な判断力があり、人望がありました。
妹は野心が強い策士で、一族の発展に貢献した実績がありました。
母は悩んだ末、始めに女の子を産んだ方に家督を譲ると言いました。
それを聞いた妹は確実に女の子を産むために、女系家族の男と結婚しました。
姉も元からいた恋人と結婚しました。
一年後、姉は子供を産みました。
姉が産んだのは男の子でした。
姉は家督にこだわってはいませんでしたが、妹が裏でしていることを知っていたので、妹が継いでは大変なことになると思い、皆に嘘をついて、子供は女の子だと言いました。
皆はこれを信じ、姉が家を継ぎました。
一週間遅れで女の子を産んだ妹は悔しがり、いつか姉を家長の座から引きずり落としてやろうと考え始めました。
それから10年が経ち、双子の母は亡くなり、娘として育てられた少年は母に負けず劣らず美しく育ちました。
しかし、子供と幸せに暮らしていた姉夫婦たちも、ある日突然事故によって亡くなってしまいました。
家はまだ幼かった少年でなく、妹が継ぎ、それまで以上に、裏であくどいことをしながら、娘と贅沢三昧をしました。
少年はシンデレラ(灰かぶり)と呼ばれ、召使いとして酷い扱いを受けます。
母に似て利口な少年は、文句を言わず、何年も耐え続けました。
そんな日々が続き、少年が15歳になったある日…
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