風の便り

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風の便り

お兄ちゃんは 白いこなゆきになったのです。 あたしはお兄ちゃんが おほしさまになったのだなと、おそらをみておもいました。 お星さまにおいのりしたことも、お願いをきいてくれたことも あたしはパパにもママにもだれにもいいませんでした。 お星さまは あのおじいさんのことも お星さまにするつもりなのでしょうか? あたしはおじいさんに魔ソコをじゅうりんされるお兄ちゃんをもくげきしたけれど だれにもいいませんでした。 だってお兄ちゃんは あたしの魔ソコもじゅうりんしてきたから。 絶対にゆるさない。 あたしはお兄ちゃんの魔ソコをじゅうりんしながら、こちらにわらいかけてくる おじいさんとめがあうと ほほえみをかえしたのです。 お兄ちゃんは『みるな』と言っていたし『だれにもいうな』と言っていたから あたしはいいつけをまもり だれにもいいませんでした。 お兄ちゃんの魔ソコも、おじいさんのことも。
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