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「お疲れ様です、先ほどプレゼン担当から電話が入りました」
「どうだった?」
「来週、ユンホ様とお話がしたいと」
「スケジュールの調整をしてくれ」
父親と同じ年代の社員に囲まれ、矢継ぎ早に質問や指示を仰がれても何の動揺も見せず淡々と仕事をこなすのは次期社長を約束されている、現社長の子息であるユンホ。
今年の春に大学を卒業したばかりだったが、既に大きな契約を幾つもまとめ上げ業績を残しており、いつしか彼を親の七光りだと蔑む者はいなくなっていた。
「資料は?」
「もう出来てます、移動しなければならないので車でお話します」
自分が所属する部署を後にすると、タイミングよく隣に並んだのはチャンミン。まだ学生ではあったがすぐにその才能を見抜き、ユノが自ら引き抜いてパートナーとして日々の行動を共にしていた。
「やれやれ…食事をする暇もないな」
「会議が終われば時間があります、遅めですがランチにしましょう」
車に乗り込み資料をカバンから取り出しながらも、柔らかく笑うチャンミンにはいつも助けられていた。
幼い頃から親同士が知り合いだったのもあり、よく一緒に遊んでいた。
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