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シム一家も大きな財閥でチャンミンはその跡取り息子として期待の星だったし、自分も父親の会社を大きくするのが当たり前なのだと思い育ってきた。
理想と現実は上手くは行かないもので、入社当初は幹部からのやっかみや妨害も受け会議に出席出来なかった、プレゼンのデータを消されてしまうなど日常茶飯事だった。そんな毎日から救ってくれたのが、チャンミンだった。
「移動時間が一番落ち着くよ」
「ユノヒョンは緊張しやすい性格なんでしょうね、会社にいる時は肩が力んでますから」
家を継ぐまで武者修行をすると言って自分の下に付いて約半年、やはりチャンミンを引き抜いたのは正解だったようだ。
仕事の面でもそうだが、やはり自分の味方が傍に居るという事実も大きかった。
「そういえば…ジェジュンさんから連絡がありました」
「また飲みに行こうって誘いだろ?」
「息抜きをさせてあげたいって優しさですよ」
ジェジュンは大学の同期で同じゼミを受けていたので面識もあったし、大学3年の頃から時間が合えば一緒に飲みに行ったり、ジェジュンが入っていたダンスサークルの合宿に参加させてもらった事もあった。
卒業してからも交流は続いていて、ジェジュンは就職はせず小さなカフェでアルバイトをしているらしい。
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