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しばらく沈黙が流れた。
祐介が優しい笑顔で言った。
「もう、終わりにしよう。もうこんなの馬鹿げてる。
香織は俊平と付き合っている。
それなのに、俺の記憶が戻ったからって一体なんだっていうんだ。
もう答えは出ているだろう。
俺の事は考えるな。香織は優しすぎるんだ。
自分のことだけ考えろ。」
祐介は、自分が消えればすべてがうまくいくと思った。
「それじゃ、前の私と一緒じゃない・・・」
香織は、自分さえ消えればいいと思っていた、自分の姿を思い出した。
「少し祐介と二人で話がしたいの。俊平いい?」
俊平はこくりと頷いた。
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