4098人が本棚に入れています
本棚に追加
/1094ページ
「くっ……そ」
渦木は地に膝をついた。まるでダメージを受けていない化け物に、心を折られる。
「死んではダメです!!」
咲哉が叫ぶ。
身体がいくら壊されようと心折れることは勿れ、と。
奮わせる。
が、現実はそんな甘くはない。
棍も槍も既に折られ、修復不可能となっていた。
菅原を視界に捉える余裕さえもない。
(ここが……僕の……死ぬ場所? ああ、お嬢様申し訳ありません。僕は……人を殺し、そして、人を守りきることが出来ませんでした)
全身の力が抜ける。
……
なにも思い浮かばない。
目の前から色素が消えていく感覚を味わった。
最初のコメントを投稿しよう!