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「爆発殺人鬼ごっこ」
馬鹿にする声や怒声、色々な声が飛び交う。その名前から想像出来るのは、創造主の幼稚気溢れる下らない下卑た遊び心のみ。それか、素頓狂なサイコパスの心理。勿論、大衆が理解し得るものではない。
「ルール説明。これ聞かないで全員死んでも僕は知らないから」
そして皆背筋に悪寒を感じた様に畏縮する。
「うん。始めからそうしてくれれば良いんだよ。まず参加人数は61名。そこの男性はもう離脱完了だよ。ホント運が良いねぇ。ルールは簡単さ、現在12時30分ちょっと前だから30分から始めて15時までゲームは続くよ。君達が持ってる時計の横についてるボタンを押してみて。そしたら数字が出てくるから誰にも見せちゃダメだよ」
長い長い説明で印象付くのはやはり最後なのだろうか。社員達は皆が各々のボタンを押す。
(0って出てきた)
(アタシのは3か)
先刻の気の強い女性の数字は、3であった。
「その数字をプリミングナンバーって言うんだ。そしてそれは爆弾の種類を表すんだ。君達が飲んだ新薬は爆弾。ちなみにその時使った水も実はしばらく排泄物を遮断して、口にした物を胃から腸の間に留めておく新薬さ。でも解除方法は簡単だよ。他の人を殺しまくって数字を0にすれば良いんだ」
ここで怒鳴り声が入る。身長がとても高くまるで大木のようなガタイのよい男性がオフィスデスクを蹴飛ばし叫んだ。
「勝手に話進めてんじゃねぇ!! 何が人殺しだ!! 法律違犯だろ!! 俺は5だぜ? 5人殺せってことか?」
「やれやれ……質問は最後にする。これ常識だよ? 君のママはそんなことも教えてくれなかったのかい? あ、君のママは君を産んですぐに君のこと棄てたんだっけ? あ、ごめんごめん。あはは」
急に繰り出される本人しか知り得ないはずの話。
「てめぇ何で……俺にその話をすんじゃねぇ!!」
しかし当然悪魔は無視。説明を続けた。
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