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2階
個室トイレ
(あの野郎……ぜってぇにこの手でぶっ倒してやるからな)
先程、母親について触れられた巨体の男性は1人怒りに奮えていた。それは正義感をかざす義憤であるのか、私怨を晴らすための力強い決意なのか、はたまた理不尽な暴力への捌け口に過ぎないのか。それは彼にしか分からないことである。
193cmのその巨体から生まれる怒りは果たして天を焦がすのか、あるいは大山鳴動に終わるのか……。
怒りと混乱で頭をぐちゃぐちゃに掻き乱されながらも、彼はせめて行動だけは冷静であろうとした。そうでなければ、いけない気がしていた。
中手川郁(ナカテガワ カオル)
プリミングNo.5
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