爆発殺人鬼ごっこ

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5階 会議室 まだ唖然としている人々。理論を司る神経を根こそぎ抜き取られてしまったのではないのだろうかというほどに、彼らは考えることが出来ない。その場にいる人間はおよそ20。 かなりの異臭が立ち込めているのにも関わらず、その場を離れられなかった人間が大多数。他の人間は一刻も早くこの死体を視界から消してしまいたい一心で会議室を飛び出していた。 残された人間は焦点も合わず俯いたり、気を失って倒れたり。文字通り動けない者ばかりであった。 しかし、そんな硬直状態。未だに嘔吐を続ける者や泣く者が多い中 「ねぇ部長? ナンバーいくつ?」 青年は部長と言われたうつむく男の顔を、下から覗きあげるように見て、そう言った。 「……敬語を使わないかね、キミ」 言われた言葉が頭で整理出来ず、部長の口からついて出たのはそんな注意。そんな反応を尻目に青年はまるで子どものように。 「ねぇ部長? これ……なぁんだ?」 にっこりと微笑み、さらに深々と部長の顔を覗き込む青年。 「?」 一瞬だけその差し出された物に目配せをした部長は、声も出せずに目を丸くした。
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